医師や病院がNFT(非代替性トークン)を有効利用する未来を想像してみる
最近はテレビでも仮想通貨に関するニュースが出てくるようになり、認知度は上がってきているのではないでしょうか。
今まではリスクの面を取り上げられがちでしたが、最近は企業が仮想通貨を購入しているといった前向きなニュースも増えてきました。
仮想通貨に続いて、NFT(非代替性トークン)の話題もちらほら出てきています。
NFTとは、
ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位である。
NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルファイルなど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連づけることができ、ブロックチェーン技術を使用して、そのNFTの所有権の公的な証明を提供する。
オリジナルのファイルのコピーは、そのNFTの所有者に限定されず、他のファイルと同様に複製や共有が可能である。代替可能性がないという点で、NFTはビットコインなどの暗号通貨とは異なる。
ちなみに、Wikipediaの設立者がWikipediaのサイトを公開した初期の状態をNFTアート化したものが約8,500万円で落札されてます。
触ってみないとなんのことやら、といった感じかもしれません。
NFT化したデジタルアート作品の売買が有名でしょうか。
NFTは唯一無二の証明になり、ブロックチェーン技術を使うことで改ざんされにくいとい特徴を持ちます。
今まではコピーされることが問題になっていたデジタルアート作品も、ブロックチェーン上で元をたどれ、価値が保証されるところが画期的です。
NFTはアートにおけるユースケースが有名である一方で、その他の領域でも有効利用できる可能性が広がっています。
そこで、医師や医療施設でのNFT活用について考えてみようと思います。
資格、認定証のNFT化
医師が取得する各種資格は、唯一無二で改ざんされにくいという特徴と相性がいいのではないかと思います。
医師が自分のウォレット(ブロックチェーン上のアドレスのようなもの)を持っていて、NFT化された医師免許証や専門医認定証を付与されたらどうでしょう。
付与する組織は厚生労働省や専門医機構で、医師が所有するNFT化された資格は誰でも閲覧できるようになります。
患者さんにとっては自分の診察をする医師のキャリアを閲覧することができ、医師への信頼につながるかもしれません。
医師にとってもメリットがあります。
職場を変更するたびに各種資格のコピーが必要であり、書類作業に悩まされます。
そこで、NFTで常に証明されていれば書類は不要。
病院が医師を採用する際に、指定するNFT化された資格をもっているか、自動的にチェックすることが可能になると手間が省けて便利なのでは。
この仕組みは医師だけでなく、あらゆる資格に実装でき、世界中の書類作業を省くきっかけになるかもしれません。
NFTで病院のファンを作る
特定のNFTを持つ人のみがサービスを受けられる仕組みを作ることもできます。
病院内で特別なものといえば、例えば特別室でしょうか。
私がかつて勤務していた病院は豪華な特別室がありました。(本当に豪華)
病院が発行するNFTを持っている人だけが利用できる特別室を用意したらどうでしょうか。
特別室も何種類か用意して、部屋のグレードに応じてNFTの販売価格も変えると面白いかも。
ゴルフ会員権のような感じでしょうか。
一泊の人間ドックで利用したい人には需要があるかもしれません。
少数の病院NFTを販売して得た収益を利用して一般病室の差額ベッド代を下げれば、地域の患者さんにとってもメリットがあります。
収益の一部が病院職員福利厚生に使われれば、職員の意欲を上げることもできるのでは。
さらに、NFT所有者が転居や体調の変化などによって需要がなくなった時は、転売することも可能であり、転売に伴うロイヤリティを発生させることもできます。
病院のファンが増えてNFTの人気が出るほど、患者さんや職員にメリットあるという好循環が理想的です。
当然病院の収益も上がるので三方良しなのでは?
NFTはまだまだこれから発展するであろう技術であり、色々考えてみると面白そうです。
挿絵の「Kindergarten BabyApes」はサルのNFTの販売による収益で世界中の子供たちのために学校を作ろうという取り組みです。
また、「Crypto Beautiful」は利益の全額をアフリカの若者がブロックチェーンゲームで稼ぐRuiko Africa Guildに投資している取り組みです。
「Patchwork Kingdom」は利益の一部がGigaプロジェクト(UNICEF(国連児童基金)とITU(国際電気通信連合)が世界中の学校をインターネットに繋ごうという取り組み)に使われます。
どれもNFTを入口として、その先に希望があるところが革新的です。
NFTを買いつつ、当事者として様々なプロジェクトに参加してみるのもオススメです。