USMLE Step1に合格した外科医の勉強方法とは?(シンプルです)
USMLE(アメリカ医師国家試験)に受かるためには何をどのように勉強すればよいか。
今回は卒後10年以上経過した消化器外科医である私の勉強方法をご紹介します。
結論から言えば、UWorldだけやっておけばOKということになります。
USMLE勉強法で調べると、教科書や問題集が出てきます。
色々あってややこしいですが、オンライン問題集のUWorldがクリアできれば受かりそうだと判断しました。
UWorldでStep 1のプランを確認。
30日から730日のチョイスのうち、”Most Popular”と勧められている360日間の契約を申し込みました。(各期間で値段があまり変わらないという不思議w)
まずは楽勝であろう消化器領域を選択し、受験勉強をスタートしました。
1分後に挫折しました。
まず、英単語が分からない。
そして、セリアック病やジアルジア症など、実臨床で見たことのない疾患の数々。
頭の片隅に日本の国家試験を受けた時の知識がちらつくものの、歯が立ちませんでした。
しかし、始めた以上は後に退けないため、かたっぱしから英単語を検索し、問題文を理解し、解説を読んで学ぶ日々が始まりました。
消化器領域の問題を半分ほど終えると、知識としてはかなり身に付き、どのように出題されるか傾向がつかめてきます。
ここで、教科書である「USMLE STEP1 FIRST AID」の登場です。
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ある程度要点をつかんだ状態で消化器領域を読むと、情報が整理され、覚えやすい形になっていることが感じられます。
とりあえず一回通読しました。
続いて解剖学。
これはさすがに出来るだろうと思っていましたが、出題の仕方にクセがあり苦戦。
神経、整形外科領域はだいぶ忘れていることが多かったです。
ひたすら問題をといていくとネタが尽きた感が感じられました。出題範囲はそれほど広くなさそうです。
こんな感じで一通りの領域別に全問題のうち半分くらいをクリアすると、何となくどのように出題されるかわかるようになります。
各領域ごとにUWorld→USMLE STEP1 FIRST AIDを繰り返し、9か月が経ったところで合格できる実感が得られました。
このころには英単語もほとんど調べる必要がなくなり、問題を解くスピードが上がります。
さて、受験申請をしようとしたところ、数々の障壁にぶつかり、UWorldの期限である1年以内の受験ができなくなってしまいました…
とりあえず1年間勉強を続けて”第一期”受験勉強が終了し、受験はいったん保留にしました。
勤務先変更のため、やりかけの研究を成仏させることとし、9か月で5本の英語論文を書きました。過去最高記録です。後悔はありません。
久しぶりにUSMLEの受験申請を進めてみると公証まではあっさりクリアできたので、可能な限り遠い日で受験日を予約しました。
残すところ3か月でUWorldを再度契約。
今回は180日にしました。(落ちる気がしたので長めです…)
UWorldを契約するたびにSelf-Assessment Formがついてくるため、前回やらなかった分と合わせて2回分の”模試”が溜まりました。
9か月のブランクは大きく、焦りながら”第二期”受験勉強を再開します。
今回は初めから全範囲の問題を解き始めました。
代謝経路とレアな感染症が覚えきれていないと思い、OneNoteで記憶用のページを作って代謝経路と出題ポイント、ほかの代謝経路との関連をまとめました。
Perplexityで検索し、ざっくりした解説を追記しておくと便利です。
受験1か月前に”模試”を受験し、70%ほどの正答率。
合格できるかもしれないが結構ギリギリだろう、と焦りが募ります。
受験1週間前に2回目の模試を見てみると、前回と同じ内容だったため途中で終了。
第二期は教科書を読みませんでした。
直前までUWorldを解き続けて受験当日を迎えます。
正答率6割ほどで受かるか微妙な手ごたえだったので、受験翌日以降もUWorldを続けていました。
だいぶビビっています。
3週間ほどしてメールが届きました。
Your ○○○○ STEP 1 score report is NOW AVAILABLE on the ECFMG(r) On-line Applicant Status and Information System (OASIS) website.
To access your score report, you must enter OASIS at https://oasis2.ecfmg.org. On the OASIS homepage, choose the “Go to OASIS” button and then log into your personal account by entering your USMLE/ECFMG identification number and password.
ということで、ドキドキのPDF開封。
無事合格でした。
まとめると、
- ひたすらUWorldをやって理解すればOK
- OneNoteが結構便利
- ブランクあけるとつらい
以上、私が実践した勉強方法でした。
ちなみに、STEP 1では全領域の基礎的な内容を勉強していく過程で、研究のネタに使えそうなところもありました。
私は研究のネタ帳を持っているので、調べてみたいことリストを追加して楽しんでいました。
実臨床につなげて考えると現役医師にとっては覚えやすいのではないかと思います。
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(FIRST AIDの電子書籍版、iPad使っている人には便利かも。アフィリンクからチェックしてみてください)